家庭通信 3月号 (お知らせ)
春の訪れを感じ陽だまりの中で遊ぶ子どもたちは、さっそく水を運び、どろどろの土の感触を楽しみ始め、汚れを気にせず思うままに遊ぶ姿に、たくましさを感じています。
今年度最後の家庭通信です。この一年間子どもたちは様々な経験を通して心と体が大きく育ちました。特に、心の成長には目を見張るものがありました。「心の育ち」は本来目に見えないことですが、近くで一緒に生活してきた保護者の方々や職員は、心の育ちを日々感じ取っています。例えば、困難なことがあると、すぐ諦めていた子が、何度かチャレンジできるようになって、根気が出てきたり、言語化できないが一生懸命グズグズして何かを伝えようとしていた子どもが、色々な表現方法を身につけていつの間にか機嫌の良い時間が長くなったり、言葉で伝える事ができるようになったり、一年間かけて同じ環境の中で規則正しい生活を営むことで、見通しが立つようになり、安心して心が育って行動に変容がでてきているのです。子どもたちが自ら育とうとしている素晴らしいその能力と出会い、嬉しい瞬間に沢山出会わせてもらいました。一つの区切りの時期である今月、子どもたちの成長をしみじみ感じながら過ごしたいと思っています。
さて、一年を振り返ってみると子育て中つい自分の願いが強すぎて、「こうして欲しい」「こうなって欲しい」「なんでできないの」と憤りを感じることはありませんでしたか。私の子育て奮闘中には子どもを所有物のように感じていたころがあり、我が子と自分の境が見えなくなってしまう時期がありました。そんな中に出会ったハリール・ジブラーン「預言者」の中の「子について」という詩は、私の子育ての根源を見直すきっかけとなり、今でも言葉の一つ一つを大事にしています。年度末にこの詩を皆様と共有させていただきたいと思い、全文をご紹介できないので、ここにその一節をご紹介します。以下の言葉に心が動いたら是非全文を読んでみてください。
「子について」
あなたがたの子どもたちは あなたがたのものではない 彼らはいのちそのもの あこがれの息子や娘である 彼らはあなた方を通じて生まれて来るけれど あなた方から生じたものではない ~略 あなたがたは彼らに愛情を与えうるが、あなたがたの考えを与えることはできない なぜなら彼らは自分自身の考えを持っているから あなたがたは彼らのからだを宿すことはできるが 彼らの魂を宿すことはできない ~略 |
【感謝】
3月16日は第59回卒園式を行い60名の子どもたちが卒園します。一年間こども園の様々な場面において、皆さまが見守ってくださっていたこと、ご協力に感謝いたします。今後も園と保護者の方々、地域の方との連携を取りながら、より良い環境作りに努めてまいります。来年度もよろしくお願い致します。
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